書籍「Kaggleに挑む深層学習プログラミングの極意」発売します

共著で執筆した書籍「Kaggleに挑む深層学習プログラミングの極意」が明日(2023/2/2)発売するのでそちらの紹介です。既に書店によっては店頭に並んでいるようです。

https://www.kspub.co.jp/book/detail/5305133.html https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000323307

どんな本?

Kaggleを題材に深層学習の技術・活用法を解説している本です。深層学習が得意な分野として、画像処理(画像分類・画像検索)と自然言語処理を扱っています。

3章以降では章ごとに1つのコンテストを取り上げ、必要な技術を解説しつつ、PyTorchを使い実際にある程度高いスコアが出るコードを作り上げる過程を解説しています。技術をカタログ的に紹介する書籍とは異なり、この本では、具体的な問題にアプローチするというストーリーの中で技術を紹介していきます。そのため、以下のような特徴があると思います。

  • 技術自体をただ学ぶのではなく、それらを組み合わせる方法、適切なものを選択する方法、実際に活用する上での考え方や注意点などについても学ぶことができると思います。
  • 実際にKaggle上で高いスコアが出せるところまで取り組むので、細かいところもごまかさず、精度を絞り出す過程について学ぶことができます。
  • 執筆を通じて作成した、実際に高スコアを出すことのできるソースコードは、すべてGitHubで公開しています。必要となれば実装法についても学んで頂けると思います。

本書はu++さん、smlyさん、flowlightさんという錚々たるKaggle Grandmaster・Masterの方々との共著です。私は3章の画像分類の章を担当しました。

詳しい目次はこちらからご覧ください。

対象読者は?

以下のような方におすすめです。

  • 画像処理や自然言語処理でより高性能なモデルを作れるようになりたい
  • 自分の深層学習の知識や技術のレベルを1つ上げたい
  • Kaggleのコンテストでより良い成績を収めたい

逆に、以下のような方にはおすすめできません。

  • 深層学習について何も知らない → 深層学習の入門書を先に読んでもらう方が良さそうです
  • 画像/自然言語処理の分野全体について網羅的に学びたい → 分野の教科書を読んでいただく方が良さそうです
  • テーブル形式データのコンテストで勝ちたい → テーブル形式データのコンテストは本書で扱っていませんので、他の本を読んでいただく方が良さそうです(下記参照)

他の本との関係は?

Kaggleで勝つデータ分析の技術

伝説的名著「Kaggleで勝つデータ分析の技術」です。主にテーブル形式データのコンテストを対象とした本です。今回の「極意本」ではテーブル形式データのコンテストは扱っておらず、紹介する技術もほぼ全く被っていません。テーブル形式データの機械学習について学びたい方には、個人的にはこちらの本を強くおすすめします。「ジャンル問わずKaggleのようなコンテストで使われてる技術を色々知りたいな」という方には、こちらの「勝つ本」と「極意本」の両方を読んで頂くのがとても効率的なのではないかと思います。

PythonではじめるKaggleスタートブック

機械学習とかやってみたいな〜」「Kaggleとかやってみたいな〜」みたいな方への最初の1冊としては、今回の「極意本」は難しすぎると思います。そういった方が機械学習の基礎を学ぶ方法は色々あると思うので、自分に合う方法を見つけて頂くのが良いと思います。特にKaggleをやりたいという強いモチベーションがある、手を動かしたい、というような方には、こちらの「PythonではじめるKaggleスタートブック」はおすすめだと思います。著者の一人の石原さん(u++さん)は極意本の著者でもあります。

Kaggle Grandmasterに学ぶ 機械学習 実践アプローチ

Kaggle GrandmasterのAbhishek Thakurさんが書かれた本を石原さんが翻訳したものです。極意本とスタイルはやや近く、コードも交えつつ、問題に取り組みながら技術を紹介していく本です。一方で、対象としている範囲が極意本よりだいぶ広く、その分、各章では核となるアイディアに絞り紹介するような内容になっています。また、そのため、Kaggleのコンテストで実際にある程度高いスコアを出せるようには取り組んでいないという点も、大きな違いかなと思います。